小規模ホテル・旅館向け:平日の販売可能数を決める実務シート
平日の空室を販売したくても、客室だけを見て販売数を決めると、食事、清掃、チェックイン、送迎などの現場能力が追いつかないことがあります。このガイドでは、「あと何室売れるか」ではなく「どの条件なら無理なくあと何室受けられるか」を日別に整理します。
1.対象日を三つ選ぶ
改善したい平日を三つ選び、販売対象客室、予約済み客室、販売停止客室、最低宿泊日数を記録します。観光庁の宿泊旅行統計は市場の背景把握には利用できますが、自施設の日別販売可能数は自施設の在庫と運営能力から判断します。観光庁は2026年1月調査分から層化基準を従業者数から客室数へ変更しているため、過年度比較では注記の確認も必要です。出典:観光庁「宿泊旅行統計調査」
2.客室以外の上限を数える
対象日ごとに、追加で対応できる夕食数、朝食数、清掃室数、チェックイン件数、送迎人数など、自施設で販売条件を左右する項目を選びます。すべての施設が同じ項目を使う必要はありません。
例えば客室が8室空いていても、夕食を追加で4名分しか提供できないなら、夕食付きプランを8室分販売できるとは限りません。素泊まりと食事付きで販売可能数を分ける方が実務的です。
3.三つの販売枠に分ける
- 通常販売枠:通常のサービス条件で受け入れ可能。
- 条件付き販売枠:素泊まり、到着時間など条件を明確にすれば受け入れ可能。
- 販売しない枠:客室が空いていても、運営上販売対象にしない。
条件は予約前に分かるように表示し、予約後に不利な条件を追加しないでください。
4.曜日別に「無理のない特典」を決める
特典候補ごとに、追加原価、必要な作業時間、翌日の清掃への影響、提供可能数を記録します。レイトチェックアウト、朝食、送迎などは、魅力だけでなく運営上の上限を確認します。
5.予約画面と現場表を一致させる
公式予約サイトやOTAに表示される対象日、客室、食事、人数、キャンセル条件が現場表と一致しているか確認します。販売停止や食事数の変更を行った場合は、使用中のシステムで反映状況を確認します。
6.毎朝10分で更新する
対象日について、新規予約、キャンセル、残室、食事・サービス能力の変化を更新します。担当者が「販売可能」と判断した根拠も一行残します。
記入用:平日キャパシティ表
- 対象日
- ______
- 残り販売可能客室
- ______
- 追加夕食/朝食可能数
- ______/______
- 追加清掃可能室数
- ______
- チェックイン・送迎等の上限
- ______
- 通常販売枠
- ______
- 条件付き販売枠と条件
- ______
- 販売しない枠と理由
- ______
- 今日の変更
- ______
- 担当者
- ______
7日間の使い方
1日目に三つの対象日を設定し、2日目に客室以外の制約を記録します。3日目に販売枠を分け、4日目に予約画面との一致を確認します。5~7日目は毎日10分更新し、問い合わせ、予約、キャンセル、現場負担を記録します。7日間は作業手順であり、成果保証期間ではありません。
関連するLSGガイド
最初のプラン点検には平日の宿泊プラン点検ガイド、市場背景にはJapan Tourism 2026 Research Note 04、結果整理にはLSG測定ガイド(英語)を利用できます。
出典・編集注記:観光庁「宿泊旅行統計調査」(2026年9月29日確認)。キャパシティ表と運用手順はLow Season Growthによる実務提案であり、観光庁の運用基準や導入効果の保証ではありません。